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フリウリのワイン

各地域の土壌の違いにより、生産されるワインの特色にも様々な個性が与えられています。
特に同州は白ワイン生産が盛んな土地であり、生産量全体の約70%が白ワインとなっています。ピノ・グリジョ、シャルドネ、ソーヴィニォン、ピノ・ビアンコなどの国際品種は、土地の気候やミネラル分豊富な土壌に適合し、ミネラルを感じながらも骨格のしっかりとした、そして香りが豊か、力強さもありながらエレガントな仕上がりのクオリティの高いワイン造りがなされています。
また、土着固有品種では、土地の人々には非常に根強く慕われているフリウラーノ、近年イタリア国内でも注目度の高いリボッラ・ジャッラなどが土地ならではの品種として知られています。リボッラ・ジャッラにいたっては、最近では発泡タイプのワインも積極的に作られています。
そして、トリエステ地方に広がるコンカと呼ばれる石灰岩土壌からは、酸度の高めなヴィトヴゥスカが、他、ヴェルドゥッツォやピコリットなどの古くから土地に根付いた品種もあります。
さらには、自然派ワインの注目度の高さからくる白品種ブドウの醸造に際して醸し醸造法をとるワイン(いわゆるオレンジワイン)も、同州ワインの特徴を表したものともいえます。
赤品種の土着固有の代表としては、レフォスコ・ダル・ペデゥンコロ・ロッソが、スキオッペッティーノ、ピニョーロ、タッツェレンゲ、テッラーノなどもそれに続く希少な品種といえるでしょう。

フリウリにて生産される主な品種

同州にて生産されるワインとしては、主に下記の品種があげられます。

白ワイン

  • トカーイ・フリウラーノ (Tocai Friulano)
  • ヴェルドゥッツォ (Verduzzo)
  • ラマンドロ (Ramandolo)
  • リボッラ・ジャッラ (Ribolla gialla)
  • ピコリート (Picolit)
  • マルヴァジーア・イストリアーナ (Malvasia Istliana)
  • ヴィトヴゥスカ (Vitovska)
  • ソーヴィニオン (Sauvignon)
  • ピノ・グリジョ (Pinot Grigio)
  • シャルドネ (Chardonnay)

赤ワイン

  • ピニョーロ (Pignolo)
  • レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ (Refosco dal Peduncolo Rosso)
  • スキオッペッティーノ (Schioppettino)
  • タッツェンゲ (Tazzelenghe)
  • テッラーノ (Terrano)
  • メルロー (Merlot)
  • カベルネ・フラン (Cabernet Franc)
  • カヴェルネ・ソーヴィニオン (Cabernet Sauvignon)

ワインの主要生産地

ワイン生産地域として特に同州にて重要で個性ある地域は下記の通りです。
コッリ・オリエンターリ・デル・フリウーリ地域(Colli Orientali del Friuli)

主にウーディーネ県東側から高原地帯を覆う地域で、同州のワイン生産地域として最も重要ともいえる、生産中心地域です。地域全体は標高約100-300mにあたり、土壌、気候とも、良質ワインの生産に適しています。
生産される品種は土着種から国際品種までクオリティの高いワイン造りがなされています。
白品種では、フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ピノ・グリジョ、ソーヴィニオン・ブラン、シャルドネなど。フレッシュ感あり繊細さ、エレガントさを備えつつ、香りの高く力強さのあることで、フリウリらしさを表現、評価されています。
また、赤品種では、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニオン、ピノ・ネーロなどの国際品種はもちろんですが、スキオッペッティーノの生産オリジナル地区であるプレポットが位置するのも同地区です。また、土地固有赤品種としての代表格ともいえるレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ、タッツェレンゲ、ピニョーロなどがあります。

コッリオ地域(Collio)

同同州の東側、ゴリツィア県を中心とした地域で、ポンカと呼ばれる土地独特の硬い粘土砂岩により形成される土壌が造りあげる白ワインが有名です。
土着品種としては、トカーイ・フリウラーノ、リボッラ・ジャッラなど。適度な酸度を持ちフレッシュ感ありながら香りが豊かに仕上がるこれらの品種は、他地域のそれらの個性とは一線を画します。他、国際品種として、シャルドネ、ソーヴィニオン・ブランなども生産されます。
赤ワインでも各カンティーナの独自スタイルにより、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニオンなどが作られています。
近年では、同地区にて生産される白品種を中心とした長期間のマチェラツィオーネ(発酵・熟成期間を皮とワインを漬けたまま行う)を施した、いわゆるオレンジワインと呼ばれる独特のワインの注目度が非常に高い地域です。

フリウリ・グラーヴェ地域(Friuli Grave)

ウーディネ県の東側からヴェネト州に近づくように、ポルデノーネ県方面の地域です。砂、砂利の多い土壌が特徴です。
この地域は同州のワインの2/3量を生産する地域で広い平野地帯です。
白ワインでは、シャルドネ、ソーヴィニオン・ブラン、トカーイ・フリウラーノなど。デリケートでフレッシュな風味が特徴。
赤ワインでは、メルロー、カベルネ・ソーヴィニオン、カベルネ・フラン、レフォスコなども生産されます。