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2019-01-14

【italiazuki】フリウリの山間にて味わう最高の「Cjarsòns(キャルソンス)」

「イタリア好きitaliazuki.com」の「イタリア好き通信」に不定期で投稿してます。
フリウリの燻製生ハム「プロシュット・ディ・サウリス I.G.P.」(2018/09/19)

イタリアの最北西、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を代表する料理の筆頭となる、この料理。名前もなんだかイタリア語なのかどうか…と疑問に思うようだが、この地は古くから時代を追って多くの民族の侵入があり、また、オーストリアとスロヴェニアを国境を持つ地域として、現在でも非常に独自の文化を持つ特異な州といえる。州名の「フリウリ」はウーディネ方面を、「ヴェネツィア・ジュリア」地域はトリエステ方面の総称となり、イタリア国内にはよくある話ではあるが、お互いにその文化を共有することは彼ら自身が否定するところだ。

そして、さらにこれらとは、またまた一線を画する地域が同州内「カルニア」地区。オーストリア国境に面する山間の地区。ここには、さらに独特の文化が根付いており、食文化も非常に特徴あるものだが、同時にこの地区の料理が同州ならではの郷土料理として知られる例も多い。

そのひとつが「Cjarsòns(キャルソンス)」だ。
もともとフリウリ地方には、「訛り」とはまた違う独自言語ともいえる「フリウリ語」というのが存在する。「フリウリ語-イタリア語」辞典も本屋に普通に並ぶくらいだ。
同料理名「Cjarsòns」もなかなか発音が難しいものではあるが、その料理名の由来を聞いてみると…。
よく言われるのは、詰め物をしたピッツァの「Calzone(カルツォーネ)」や、小物などを入れてしまっておく引き出しを意味する「Casetteriera(カセッテッリエラ)」など。いずれも詰め物をした料理というところからくるようだが、実はそうでもないらしい。または、カルニア地方を意味する「Cjarnion(チャルニオン/キャルニオン)」から派生する、等…。この地方の料理をよく知る長老的人物に話を聞いても、どれもこれも真相ではない、という。

そして、もちろん土地料理ならでは。各人、各家庭の伝統の味、手法があり、それぞれに受け継がれてきたものであるから、ひとつのレシピとしてこの料理が収まることはまず、ない。

私個人として、いくつかのキャルソンスを食べてきたが、信頼できる一皿を見つけた。それを作ってくれるのが、同地区、Forni Avoltri(フォルニ・アヴォルトリ)にて、ホテルとレストランを経営するマンマであり、シェフである、Tiziana Romanin(ティツィアーナ・ロマニン)さんだ。

PAlbergo Ristorante “Al Sole” di Romanin Tiziana
住所 Via Belluno, 14 33020 Forni Avoltri (UD)
電話 +39.0433.72012
HP www.alsoleromanin.it
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